第20回言語処理若手シンポジウム(YANS2025)参加報告
はじめに
アクトシティ浜松にて2025/09/17から2025/09/19の期間に開催された第20回言語処理若手シンポジウム(YANS)に参加させていただいたので、僭越ながら個人ブログにて参加報告を掲載させていただきます。
ハッカソン
初日に分野交流の一環としてハッカソンが開催されました。小学校レベルの算数問題をSFTまたはDPOを用いて解かせるというタスクを、チーム5名で取り組むといった内容でした。 SFT、DPOそれぞれ8チームが参加し、スコアや発表内容に応じて「リーダーボード賞」,「特別審査員賞」,「YANS委員会賞」といった表彰が行われました。 研究を始めたばかりのB4から社会人のチームメイトと協働してタスクに取り組む中で、創意工夫を楽しむ研究姿勢を再認識する良い機会となりました。
招待公演
2日目に工藤拓 氏(グーグル合同会社)による招待講演が行われました。 SentencePieceやMeCabの開発者として積み上げてきた経験から、プロダクトと研究の結びつけ方をプロダクトのデモを通じて示していただきました。 また、3日目には落合陽一 氏(筑波大学/ピクシーダストテクノロジーズ株式会社)による招待講演が行われました。 大阪・関西万博に出展しているnull$^2$や、デジタルネイチャーに関わるユニークな研究紹介が行われ、創発したアイデアによって研究を進めることの重要性を教えていただきました。
ラウンドテーブル
D進、研究キャリアなどの話題について、様々な年代の参加者と20分程度事前に申請したテーマに従ってディスカッションするといったイベントが行われました。私自身は「マルチモーダル」と「企業研究者としてのキャリア」という2つのテーマについて様々な方と議論し、将来の不安を解消させたりネットワーキングの良い機会となりました。
ポスターセッション
2日目と3日目で5セッションの研究発表がありました。 個人的には、LLMのknowledge cutoffの日付を推定する研究や、GRPOの報酬ハッキングの緩和手法が興味深かったです。自分自身も含め萌芽的な研究テーマに対して多くの議論をさせていただきました。 また、本シンポジウムにて私の発表が奨励賞に選定されました。この場を借りて、当日議論していただいた皆様に感謝を申し上げます。
おわりに
本記事では言語処理学会若手支援事業の一つであるYANSの参加報告を行いました。同世代や若手の研究者とのネットワーキングや研究議論が盛んであり、多くの学びが得られました。今後の研究活動に活かしたいと考えています。本記事が今後参加を検討される方々への足がかりとなれば幸いです。